優れた女性科学者をたたえる「猿橋賞」の今年の受賞者に、ショウジョウバエの研究で聴覚情報処理の原理に迫る成果を上げた名古屋大の上川内あづさ教授(50)が選ばれた。主催する「女性科学者に明るい未来をの会」が21日、発表した。
上川内さんは、ショウジョウバエの聴覚情報を処理する神経回路が人間と似ていることを明らかにした。さらに、ショウジョウバエは若い時期に求愛の歌を聴くと成熟期に仲間と異なる歌による求愛は拒絶するが、歌を聴く経験がないと仲間と違う歌でも受け入れることを発見。人間や鳥類で子供時代に聴いた音の経験が、成人後の音感に影響を及ぼすのと同様であることを示した。