19日、カンボジア南西部のリアム海軍基地に寄港する海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」(共同)
 カンボジア「リアム海軍基地」、プノンペン、中国、タイ

 【リアム共同】海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」と掃海艦「えたじま」が19日、中国の支援で拡張工事を今月に完了したカンボジア南西部のリアム海軍基地に寄港した。米国はリアム基地が中国軍の海外拠点となることを懸念。日本は「自由で開かれたインド太平洋」の実現へ中国をけん制する狙いだ。

 リアム基地では5日、カンボジアと中国が工事完了を記念した式典を合同で開いた。両国以外の艦船の寄港は、工事終了後では海自艦が初めて。

 カンボジアは基地の一部に限定して艦船の短期間の停泊を認め、国際社会の疑念を払拭したい狙いがあるもようだ。

 中国はカンボジアで影響力を拡大している。リアム基地には中国海軍の艦船がローテーションを組み停泊。中国は基地の周辺海域でのしゅんせつ作業を引き続き支援し、軍艦船の寄港を続ける。

 中国国防省は今月、テロ対策や人道支援活動、合同訓練の拠点として、リアム基地でカンボジアと合同の訓練センターの運用を正式に開始し、中国軍の要員を駐在させると発表していた。