農地バンク事業のイメージ

 全都道府県に農地集約の仲介役として設置されている農地中間管理機構(農地バンク)のうち、9県で賃借時の手数料が独自に導入されていたことが19日、共同通信の調査で分かった。農地の貸し手と借り手の両方から徴収し、貸借料の0・5〜1%を取るケースが多い。農地集約に向けた仲介件数が増える一方、国からの補助が不足。手数料なしでは今後も増加が予想される運営費を賄えないと判断した。

 手数料徴収の動きは、他の都道府県でも広がっていく可能性がある。

 政府は少子高齢化による担い手不足を背景に、大規模経営を進めるため制度活用を強く促してきた。利用者に新たな負担を求める手法は、これまでの農地集約の流れに水を差しかねず、事業運営の財源確保が課題だ。

 農地バンクは高齢農家が耕作をやめた際、田畑を借り受けて大規模経営を目指す担い手や企業に貸しており、農地の保全管理費や職員の人件費などがかかる。運営費の7割程度を国の補助金に頼っており、残りは都道府県からの支援もあるが額は限られる。