京セラと筑波大が、仮眠をサポートする人工知能(AI)システムを共同開発、4月から企業に有償で貸し出し、実証実験を始めた。血流量センサーを組み込んだイヤホンを装着して眠りにつくと、AIが最適なタイミングで起床を促す。日中の生産性向上につながると期待され、来春の商品化を目指す。
睡眠サイクルは眠りの深さによって3段階に分割でき、中間の「睡眠段階2」に入ってから9分後に起きると目覚めが良いことが分かっている。睡眠段階を知るには、これまで脳波計が必要だったが、耳から得る血流量で把握できるようになった。
左右の耳に異なる周波数の入眠音を流すことで「睡眠段階2」に到達するまでにかかる時間を短くする技術も確立。睡眠効果が下がらないよう、段階2に入ると音が止まる工夫も施した。
仮眠を取る際は、イヤホンとスマートフォンをつないで専用のアプリを起動させる。利用者は川のせせらぎやたき火といった入眠音を選べる。個人差はあるが、目を閉じてから平均20〜30分ほどで最適な起床のタイミングを迎え、アラームが鳴る。