地方銀行や政府系金融機関がトランプ米政権による関税強化の影響を受ける取引先への特別融資に乗り出した。自動車部品メーカーのように、世界経済のうねりに翻弄される地域企業を資金面で支える。企業の聞き取りも進めてトランプ関税のリスク把握を急ぎ、適切な支援につなげる。
各行の特別融資の主な対象は、米国の関税政策に伴い売り上げが減るなどの影響を受けた企業と個人事業主だ。運転資金や設備投資に充てられる融資枠を設ける。
京都銀行は1社当たり5億円を上限に融資枠を設ける。融資期間は原則5年以内で、貸し出し実行日から最長1年間は元金返済を不要にした。広島銀行や十六銀行(岐阜市)も1億円を上限に貸し付ける。北都銀行(秋田市)と荘内銀行(山形県鶴岡市)も顧客に応じて金額を決め支援する。
政府系金融機関である日本政策金融公庫は既存制度の「経営環境変化対応資金」を活用する。中小企業に7億2千万円、個人事業主など小規模事業者には4800万円をそれぞれ上限として融資する。