中国政府は12日、米国からの全輸入品に対する報復関税を84%から125%に引き上げた。トランプ米政権が中国に対する「相互関税」の税率を引き上げたことへの対抗措置。米中間の貿易摩擦は未知の領域までエスカレートし、世界経済に深刻な打撃を与えそうだ。
中国政府は「米国がこれ以上税率を上げても経済的な意味はない」と指摘。米国が再び税率を引き上げても応戦しないとしている。ただ今後も中国の利益を損ない続けるなら「断固として反撃する」とし、関税以外の手段での対抗を示唆した。
米ホワイトハウスのレビット報道官は11日の記者会見で、中国側に合意する意向があればトランプ大統領は「寛大な対応を取るだろう」と言及。トランプ氏は米国の労働者と企業に利益となる合意を結びたいと考えている、とも付け加えた。
中国税関総署によると、2024年の米国への輸出は5246億ドル(約75兆円)、米国からの輸入は1636億ドルだった。交渉による事態打開をできずにこのまま高関税が維持されれば、両国間の貿易は大幅に減少する見通しだ。