記者会見する沖縄県の玉城デニー知事=11日午前、沖縄県庁

 日米両政府による米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還合意から12日で29年となるのを前に、玉城デニー知事は11日の定例会見で、名護市辺野古移設に改めて反対する姿勢を示し「軟弱地盤の改良工事などさらなる年数が必要であり、移設は普天間の早期閉鎖、返還にはつながらない」と強調した。

 日米両政府は1996年4月12日、5〜7年で全面返還を実現すると発表した。玉城知事は現在も返還に至っていない理由を問われ「政府が辺野古(移設)が唯一(の解決策)との考えにこだわっているからだ」と語気を強めた。

 一方、林芳正官房長官はこの日の記者会見で「辺野古移設が唯一の解決策であるという方針に基づき、着実に工事を進めていくことが普天間の危険性を除去することにつながる」と述べた。

 辺野古移設を巡っては、防衛省は昨年1月に軟弱地盤が広がる大浦湾側で材料の仮置き場とする海上ヤードの設置工事を始め、12月末には軟弱地盤の改良工事に着手した。辺野古を巡る国との法廷闘争は全て終結し、判決に至った訴訟はいずれも県が敗れた。