【ミラノ共同】イタリア北部ミラノで開催中のデザイン展覧会「フォーリサローネ」で、秋田、福井両県の伝統工芸品が展示された。漆器や和紙で作った作品の魅力をアピールし、欧州市場での新たな販路開拓を狙う。10日には美術関係者らも招待され、匠の技に熱視線を送った。展示は13日まで。
展示は各県4種類で、ヤマザクラの樹皮から作る「樺細工」(秋田県)のカードケースや「越前和紙」(福井県)でできた箱などを紹介。ミラノの医師インチェルティさん(60)は「全てが芸術的だ。色や形がシンプルな漆器が一番気に入った」と感激していた。
会場には、能登半島地震からの復興支援を目的に「輪島塗」など石川県の工芸品のほか、岡山県の備前焼も一緒に展示された。
10日夜の記念行事には約60人が出席した。参加した欧州在住のデザイナーらは「作品は素晴らしい」と声をそろえる一方で、「それぞれの歴史や背景などの魅力も伝える必要がある」と助言していた。
今回の展示は地域活性化に取り組む一般社団法人「北前船交流拡大機構」が主催した。