八代亜紀さん
 八代亜紀さんが書き残した「生きる」の歌詞

 2023年に亡くなった歌手の八代亜紀さんが書き残していた、未発表の歌詞が見つかった。タイトルは「生きる」で、愛する女性に先立たれた男性の立場から、前を向いて生きる決意を記した内容。記されていたノートが、11日から東京・西武渋谷店で開かれる回顧展で公開される。

 マネジャーを務めていた大野誠さん(37)によると、コロナ禍の20年春に八代さんがノートを持ちながら大野さんの前で読み上げて披露した。タイトルは「仮に『生きる』としてくれる?」と話し、新曲の制作も検討していた。

 八代さんは23年12月に急速進行性間質性肺炎で死去。昨年春に大野さんらが八代さんの部屋の整理をした際に「平成時代のテンペンチイ」「一歩づつ前に 生きて行くよ」などと歌詞がつづられたノートが見つかった。

 大野さんは「コロナ禍の中で新たなチャレンジをしようとしていた思いが伝わる。多くの人に直筆を見てもらい、メッセージを受け取ってほしい」と話している。

 回顧展は20日まで。ノートの他、八代さんが描いた絵画や写真などが展示される。