セブン&アイ・ホールディングス本社=東京都千代田区

 流通大手のセブン&アイ・ホールディングスが9日発表した2025年2月期連結決算は、純利益が前期比23・0%減の1730億円だった。国内外のコンビニが振るわず、2年連続の減益となった。カナダのコンビニ大手から買収提案を受ける中、自社単独での経営路線を維持するには主力事業の業績立て直しが急務だ。

 売上高に当たる営業収益は4・4%増の11兆9727億円。コンビニ事業は、中核の北米市場で景気減速の懸念を背景に消費者の節約志向が強まった。北米での不採算店舗の閉鎖費用などで2209億円の特別損失を計上したことも響いた。

 26年2月期の連結純利益は国内外のコンビニ事業の回復を見込み、47・3%増の2550億円と予想した。

 ただトランプ米政権の関税引き上げにより、米国の個人消費が落ち込む恐れがある。次期社長に内定しているスティーブン・ヘイズ・デイカス取締役はオンライン記者会見で「(消費者は)より注意を持って、どこで買うかを選ぶようになる」と述べ、消費行動の変化に懸念を示した。