8日、記者会見する米ホワイトハウスのレビット報道官(手前)=ワシントン(ロイター=共同)
 記者会見する米ホワイトハウスのレビット報道官=1日、ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン共同】トランプ米政権が国別の貿易赤字を参考に独自に設けた「相互関税」の第2弾が、9日午前0時1分(日本時間午後1時1分)に発動期日を迎える。5日に導入した10%の一律関税に続く措置。貿易が不均衡だと見なす約60カ国・地域に税率を上乗せし、日本は計24%となる。景気後退を懸念する金融市場の混乱にも強硬姿勢を崩さず、米国が主導した自由貿易を中心とする戦後秩序は岐路に立つ。高関税の減免に向けた交渉が焦点となる。

 ホワイトハウスは8日、中国が米国への報復措置を撤回しなかったことから、50%の関税をさらに上乗せすると発表した。第2次政権以降で課す中国からの全輸入品に対する関税は公表済みの相互関税34%などと合わせ計104%になる。

 相互関税は国家非常事態宣言で広範な権限を大統領に与える「国際緊急経済権限法」が根拠。トランプ氏は各国が関税に加え、政府補助金や各種規制といった非関税障壁により「米産業を壊滅させた」と主張。巨額の貿易赤字を解消するため高関税で対抗し「米国に雇用と工場を戻す」と強調する。