岡山市南区の山林火災現場付近に集まった消防車=24日午前7時31分

 山肌に現れた炎は一夜明けても収まらず、辺りには白煙が充満し、麓は焼け焦げた臭いに包まれた。岡山市と愛媛県今治市の山林火災は24日も延焼が続き、両市や陸上自衛隊は消火活動に追われた。「眠れなかった」。住民は疲労困憊した様子で語った。

 岡山市南区の発生現場近くのコンビニには、火災が迫っているとして閉店を知らせる張り紙が掲示されていた。岡山県内各地から集まった消防車のサイレンも鳴りやまず、警察官が通行止めを案内する姿も見られた。

 岡山の火災現場近くに住む安田博さん(76)は一時的に避難。避難所には風向きによって火の手が近づくこともあり「何かあったらすぐ動けるようにした」と終始緊張を強いられた。「自分の身は自分で守らないといけない」

 23日から消火活動に当たった消防団員の男性(50)は「まだ火が残っている。これから風が強くなって火の勢いが増すかもしれない」と気を引き締めた。

 今治市の現場では、愛媛県や自衛隊のヘリの飛ぶ音が周辺に響いた。数カ所から立ち上る炎を目がけて、散水が繰り返し行われた。