モンゴルで見られる「周氷河地形」と呼ばれる地形(高知大提供)

 宇宙の有人探査の大きな課題の一つが人間の活動にあらゆる意味で重要な水をどう得るか。人類が月の次に目指す火星で、地球の永久凍土帯の地形データを活用し、東半球の地下に氷が豊富にあることを突き止めたと高知大などのチームが24日までに米科学誌に発表した。チームの長谷川精高知大准教授は「着陸場所を計画する際に重要な情報だ」としている。

 現在の火星は、平均気温が氷点下の極寒で乾燥した環境。ただ、約40億年前に温暖湿潤な気候だったころの海水の一部が地下に氷として残っているといわれる。有人探査では、水は人間の生命維持に不可欠で、水素は燃料として使える。現地で調達できれば、限られた物資輸送の容量を空けることができる。

 チームは、モンゴルなどに広がる永久凍土帯に注目。地下水が凍ると、直径が10〜20メートルの多角形を敷き詰めた形など、特殊な地形が地上に出現する。この「周氷河地形」と呼ばれる地形が火星地下に眠る氷探しに活用できると考えた。