太平洋戦争中の資料を収集、解析している大分県宇佐市の市民団体「豊の国宇佐市塾」は22日、米軍機による空襲の様子などを撮影した映像12点を報道関係者に公開した。米国立公文書館から取り寄せたもので、9道県で撮影された。米艦船の攻撃を受けた特攻機の乗員がパラシュートで降下する映像もある。5月に宇佐市で開く平和イベントで一般公開する。
団体の織田祐輔さん(38)によると、戦闘機に標準装備されていたガンカメラや、機内から手持ちカメラで撮影された。
沖縄本島の東方海域で撮影された映像では、攻撃を受け爆発した特攻機から放り出され、パラシュートで降下する搭乗員の様子が写っている。その後、米艦船に救助され、捕虜になったとしている。
北海道旭川市のパルプ工場への空襲は、同市の空襲映像として初めて見つかったという。愛知県豊橋市の空襲映像には、機銃掃射を受ける国民学校の背後に焼け野原となった市街地が写っていた。
織田さんは「戦争は教科書の中の出来事のように感じてしまうが、映像は多くのことを訴えかけてくる」と語った。