昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の事務局次長浜中紀子さん(81)=埼玉県行田市=が22日、同県熊谷市で講演した。1歳7カ月の時に長崎市の自宅で被爆した浜中さんは「核と人間は共存できない」と強調。被爆者が高齢化する中、地方組織の活動継続に危機感を示し「被爆2世や3世に後を継いでほしい」と話した。
講演は「熊谷空襲を忘れない市民の会」が主催した。浜中さんは被爆当時の記憶がなく、母親が体験をほとんど語らなかったことを紹介。証言活動ができないことに「引け目を感じてきた」と明かしつつ「かろうじて生き延び、生かされているとの思いで活動している」と語った。