新型コロナウイルスの流行を契機にオフィスの役割が見直されている。政府による初の緊急事態宣言から4月で5年。自宅などで働く在宅勤務がある程度定着した一方、オフィスでは居心地の良い雰囲気や従業員同士のコミュニケーション醸成に重きを置いた空間づくりが進む。業務のデジタル化に対応したオフィス用家具も登場し、仕事の生産性を高める投資が活発化している。
ウェブ会議システムに対応し、オフィス用品も進化した。周囲の音を拾わないよう小部屋のような作業ブースが主流だったが、コロナの5類移行を受けて6人以上で利用できる大型モデルが誕生。背もたれにスピーカーを内蔵し、周囲に会話の内容が漏れにくいボックス型ソファも人気だという。
自由に席を選ぶ「フリーアドレス」も広まった。
森ビル(東京)が東京23区に本社がある企業を対象に2024年に実施した調査で「本社オフィスの存在意義や求められる機能・役割」を複数回答可で尋ねたところ、トップは「社内コミュニケーション・コラボレーションの強化」で、回答した企業の7割を超えた。