人種差別撤廃条約加入30年で開かれた集会=19日午後、国会

 人種差別撤廃条約の国連採択60年、日本の加入30年を記念し、市民団体が19日、国会内で集会を開き、条約の義務を果たす法整備をしようと議論した。被害当事者や支援団体、野党国会議員らが現状を報告。「人種差別撤廃法モデル案」を発表した。

 日本は1995年に加入後、国連人種差別撤廃委員会から4回審査を受け、差別禁止法制定や朝鮮学校の高校無償化除外の是正などを勧告されている。

 集会では被差別部落、アイヌ民族、在日コリアン団体から、インターネット上の差別投稿が深刻化し、ヘイトスピーチ解消法では限界があると指摘があった。埼玉県に多く住むクルド人団体のワッカス・チョーラクさん(43)は「2年前からネットで差別が広がり、何でも私たちが攻撃を受ける。米の値段が高いのもクルド人のせいにされた。皆さんにヘイトを止める責任がある」と訴えた。

 集会は人種差別撤廃NGOネットワークが主催し、オンライン含め約100人が参加。政府担当者に要請文を手渡した。