取材に応じるブラジルのルラ大統領=18日、ブラジリア(共同)

 【ブラジリア共同】ブラジルのルラ大統領は18日、同国政府が第2次大戦中の日本人移民迫害を謝罪したことについて「私も謝罪の気持ちを持っている。謝罪は人道的な行為で、誤りを認めることは重要だ」と述べた。「日本とは未来を見据えた関係でいたい。争いのない関係となるよう努力する」とも語った。

 今月下旬の訪日を前に、首都ブラジリアの大統領府で日本メディアの合同インタビューに応じた。今回の訪日や来月開幕する大阪・関西万博を通じ「ブラジルのことをもっと知ってほしい」と訴え、日本との貿易や人的交流の拡大に意欲を示した。

 ブラジル政府は昨年7月、大戦中に日本人移民を「敵性外国人」と見なして居住地から強制退去させた「サントス事件」と、戦後の動乱に伴う日本人の収監について公式に謝罪した。サントス事件の被害者は沖縄県出身者が多い。

 ルラ氏は、ブラジルが11月に国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議を主催することを踏まえ、トランプ米政権が温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」離脱を表明したことに強い危機感を示した。