新興宇宙企業ダイモン(東京)は8日、米企業の着陸機で月に到着した超小型探査車「YAOKI(ヤオキ)」が、月面で写真を撮影し、データを地球に送信できたと発表した。着陸機が横転したため、当初計画した着陸機から離れての走行は断念。格納ケースに搭載されたまま撮った画像を送り、運用を終えた。
公開された画像は黒く不明瞭だが、暗い月面クレーターの内側から撮影され、太陽光で白っぽく見える山側の部分や、横倒しになった着陸機の脚部がわずかに写っているという。
米企業インテュイティブ・マシンズの着陸機は日本時間7日未明、月面に到着。だがデータを確認すると、目標から数百メートル離れた地点で横倒しになっており、太陽電池パネルで充電ができず、ミッションを終えた。
ヤオキは縦横14センチ、高さ約8センチ、重さ498グラム。月面に放出され、地球からの遠隔操作で6〜8時間走行するはずだった。着陸機から電力供給できなくなったため分離は断念したが、写真や温度データを正常に地球に送信し、車輪が回転することも確認できた。