講演する福島県立医大の坪倉正治教授=8日午後、福井県敦賀市

 東京電力福島第1原発事故の教訓を生かそうと、原発事故時の屋内退避を考えるセミナーが8日、福井県敦賀市で開かれ、福島県立医大の坪倉正治教授が講演した。「福島では遠方避難で失われる命が非常に多かった」と訴え、「屋内退避を現実的に考えておくことが原子力防災上大切だ」と呼びかけた。福島事故後、福井県では全国最多の原発7基が再稼働している。

 住民や自治体職員など約100人が耳を傾けた。坪倉氏は事故直後に被災地に医療品の流入が途絶え、介護施設から要支援者の避難が行われた結果、多くの人が亡くなったと説明。「みんなで考える必要がある」と指摘した。