堆積物で埋まっていた福島第1原発2号機の原子炉格納容器貫通部。上は過去の調査で開けた穴=2023年10月(国際廃炉研究開発機構提供)

 東京電力は福島第1原発2号機の原子炉格納容器貫通部にたまった堆積物から、溶融核燃料(デブリ)に含まれるウランなどを検出したと明らかにした。これまで確認されているデブリとは全く異なる場所にあるが、東電は燃料が溶け落ちた時に粒子が飛び散り、落下時の気流に乗って運ばれたとみている。ウランなどは微小な粒子のため、デブリに当たらないとしている。

 貫通部は2号機の格納容器側面にある直径55センチの横穴で、本来は原子炉内の設備の保守管理に使う。貫通部からデブリ採取装置を挿入しようとしたが、ふたを開けるとセメントのような灰色の堆積物で埋まっていた。このためより細い装置に変更を迫られ、昨年11月に初めて採取した。

 東電は堆積物のうち、ふたを開けた際に落ちた破片などを採取して分析。ウランが核分裂してできるアメリシウムやユーロピウムを検出した。詳しく調べると、ウランや燃料を覆う管の成分であるジルコニウムのほか、鉄やクロムを確認した。ウラン粒子は数十〜100マイクロメートル(1マイクロメートルは千分の1ミリ)だった。