宇宙企業ispace(アイスペース、東京)は4日、月着陸船「レジリエンス(再起)」が6月6日午前4時24分に着陸に挑むと発表した。月の北半球にある「氷の海」の中央付近を目指す。2023年4月に最初の機体で別の地点への着陸に失敗した。今回成功すれば、日本の民間企業で初の月面着陸となる。
機体の状態は良好。袴田武史最高経営責任者(CEO)は「前回から運用の効率性や確からしさが大きく改善し、自信を持って着陸を迎えられる」と話した。
レジリエンスは今年1月15日、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。2月中旬に月の重力を利用して加速と方向転換をする「スイングバイ」に成功。現在は燃料を節約するために地球や月から大きく離れる軌道を飛行中で、5月上旬に月の周回軌道に入る。
民間企業の月面着陸は、米インテュイティブ・マシンズが24年2月に世界で初めて成功させた。レジリエンスと同じロケットに相乗りした米ファイアフライ・エアロスペースの着陸船は異なる軌道を通り、今月2日に着陸に成功した。