アンドロイドの表情に、呼吸やまばたきなどのしぐさを連続して変化する「波」として取り入れることで、気分の移ろいをなめらかに表現することに成功したと、大阪大などのチームが3日までにロボット専門誌に発表した。チームの石原尚准教授は「人とロボットのより豊かなコミュニケーションにつながる可能性がある」としている。
アンドロイドの表情作りはいくつかの動きを用意し、それらを切り替えるやり方で作られてきた。ただ表情の入れ替わりで一度顔が止まったり、不自然になったりするという問題があった。
石原准教授らは感情の基となる「気分」を表現することで表情の土台を作ろうと考案。「眠たい」から「興奮」までの気分の変化を、まばたきや呼吸など、九つの顔のしぐさに分解して表現した。
今後はこの土台に、「悲しい」「うれしい」などの感情や、大きな音に驚くような反射の反応を重ねることを考えている。石原准教授は「多層的な表現をすることで、表情の真実味を増していきたい」と話している。