カブス戦の3回、ピンチを切り抜けガッツポーズするドジャース・佐々木=東京ドーム
 カブス戦に先発したドジャース・佐々木=東京ドーム

 ドジャースの佐々木がついに夢の舞台に立った。プロ野球ロッテから20球団による争奪戦を経て加入した23歳の「令和の怪物」が、日本でメジャー初登板。剛速球を連発して球場を沸かせた一方、5四球と制球に苦しみ、3回56球で交代とほろ苦いデビューとなった。

 一回。初球から160キロの直球を投じると、ファンがどよめいた。2番鈴木の初球にはこの日最速の162キロを記録。メジャーで初の三振を空振りで奪った。ただ、三回に3連続四球と乱れ、押し出しで失点。1死満塁からは連続三振を奪って最少失点で切り抜けたが、課題ものぞいた。

 日本での実働は4年。年間を通して先発で働いた経験やチームを優勝に導いた実績がない中、大型契約を結べない25歳未満での渡米には賛否も交錯した。それでも、1年目に右肘を痛めた経験から「(25歳で迎える2年後を)どういう状態で迎えられるか保証はない」と早期のメジャー挑戦にこだわり、夢を追った。

 才能の片りんを十分に示したが、白星は手にできなかった。