自民党は19日、厚生労働部会を開き、政府が今国会への提出を目指している年金制度改革法案の議論を本格化させた。保険料の負担増を伴う内容が含まれるため、夏の参院選を見据えて提出への慎重論が上がった。国民の理解が得られるよう丁寧な議論を求める声も出た。部会開催は当初の想定より約1カ月遅れで、提出できるかどうかが焦点だ。提出がずれ込んだ場合、審議時間が足りなくなり、会期内の成立が見通せなくなる可能性もある。
自民は労使双方の関連団体などへの意見聴取を進めながら、議論を継続する。
今国会で与野党は、本会議や委員会の質疑に首相が出席する「重要広範議案」に年金法案を指定している。だが14日の国会提出期限に間に合わず野党側が反発。石破茂首相は提出に向けた調整を急ぐよう自民の森山裕幹事長らに指示していた。
ただ党執行部の足並みは乱れている。自民の坂本哲志国対委員長は18日、立憲民主党の笠浩史国対委員長に法案を4月中下旬に提出したいとの意向を伝達した。