送検のため、警視庁戸塚署を出る高野健一容疑者=13日午前8時3分

 東京都新宿区で動画配信中の女性が刺され死亡した事件で、殺人の疑いで送検された高野健一容疑者(42)が路上で女性を見つけた後、一直線に駆け寄り、声をかけずに突然襲っていたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。女性は30カ所以上の傷があり、警視庁捜査1課が詳しい状況を調べている。

 女性は佐藤愛里さん(22)。スマートフォンを使い、山手線を歩いて一周する動画を配信中だった。捜査1課によると、高野容疑者は当日、自宅のある栃木県小山市で電車に乗り、車中で動画を見て佐藤さんが新宿区の高田馬場駅付近にいると特定した。

 同駅で降車後も視聴を続け、動画の内容や佐藤さんの服装を基に10分ほどで発見。自宅から持参した刃渡り約13センチのサバイバルナイフを使ったとみられる。「200万円を超える金を貸していた。借金を返済しないのに配信で稼いでいくことに、やり切れない気持ちになった」と話している。

 警視庁は13日、高野容疑者の自宅を家宅捜索。パソコンや佐藤さんへの金銭の振り込みを記録した明細書などを押収した。