発生から14年が経過した東日本大震災を巡り、政府地震調査委員会の平田直委員長(東京大名誉教授)は11日、定例会合後の記者会見で「東北の海と陸の動きは、震災発生直後の状態が続いている」と述べ、依然として地震活動に注意が必要だと訴えた。
会合では、2011年の震源域周辺で、最近1年間に起きた地震を議論。震災前と比べ、沿岸域では地震の多い状態が続いているという。
平田氏は、全体的な地震発生数は減っているものの、地震活動は続いていると指摘。プレート境界が大きく破壊された場所では、しばらく大きな地震は起きない一方「やや沖側や北側、南側では、大きな地震が起きる可能性がある」とし、高い津波や強い揺れに警戒を呼びかけた。
会合では、福島県で2月21日に最大震度4を観測した地震も議論。規模はマグニチュード(M)4・9で、震源は福島県沖の深さ49キロだった。震災と同様にプレート境界で起きた。
能登半島周辺では、2月には震度1以上を観測する地震が25回あり、このうち18回が半島西方沖で発生していた。