一部メーカーの出荷停止の影響で、はしか、風疹を予防するワクチン(MRワクチン)の定期接種を受けられなかった対象者について、厚生労働省が接種期間を延長する方向で調整していることが11日、関係者への取材で分かった。4月から2年間延長し、公費で受けられるようにする。
定期接種は1歳と、小学校入学前の1年間に計2回受ける。このほか、過去に接種機会がなく、他の世代に比べて風疹の抗体保有率が低い現在45〜62歳の男性を対象とした接種も2024年度末まで行われている。
メーカーの一つ、武田薬品工業が昨年11月、ワクチンの有効性が不十分な可能性があるとして出荷停止を発表。他のメーカーが出荷を前倒しして対応しているが、供給に地域的な偏りが生じているという。
はしかは空気感染し、発熱や発疹のほか、脳炎を起こすことがある。風疹は飛沫感染し、発熱、発疹、リンパ節の腫れの症状が特徴。妊婦が感染すると胎児に影響が出る恐れがある。