加工食品に使用するごま油の卸売価格でカルテルを結んだとして、公正取引委員会が独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、製油大手の「かどや製油」(東京)と「竹本油脂」(愛知県蒲郡市)に再発防止を求める排除措置命令を出す方針を固めたことが10日、関係者への取材で分かった。かどや製油には約2千万円の課徴金納付命令も出す。

 すでに処分案を通知しており、意見を聞いた上で決定する。ごまの価格高騰などを受け、競争を避ける狙いがあったとみられる。

 関係者によると、両社はいずれも加工食品製造の「エスビー食品」(東京)、「丸美屋食品工業」(同)、「フンドーキン醤油」(大分県臼杵市)に販売したごま油の価格を調整。2023年1月以降に営業担当者が連絡を取り合い、引き上げを合意した疑いがある。フンドーキン醤油に販売したごまの価格の引き上げも調整したという。

 カルテルにより、ごま油が使われているマーボー豆腐のもとやドレッシングの価格上昇につながった恐れがある。