JR双葉駅前で行われたイベントで並べられたキャンドル。能登半島地震の被災者へ向けたメッセージも見られた=10日夕、福島県双葉町
 夕日に照らされる宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎=10日午後

 関連死を含め2万2千以上の犠牲者が出た東日本大震災は11日、発生から14年。地震発生時刻の午後2時46分、各地で犠牲者を追悼。石破茂首相は福島県主催の追悼式に出席する。被災地では10日、震災遺構を訪れる人たちの姿があり、住民は「あの日を決して忘れない」と誓った。

 4階建て校舎の2階に津波が押し寄せた震災遺構・荒浜小(仙台市)。沿岸部の家が全壊した同市の会社員佐々木舞さん(31)は、昨年5月に生まれた息子の蒼大ちゃんと初めて訪れた。「荒浜は小学生の頃に毎年家族で海水浴に来た思い出の場所。ママはこんなところに住んでいたと伝えたくて」とほほ笑んだ。

 「当時のことは鮮明に覚えているし、決して忘れない」。福島第1原発から北約45キロにある福島県相馬市の松川浦漁港で、漁師の立谷義則さん(60)は振り返った。

 漁港の施設は津波で壊滅的な被害に遭い、一時は漁の全面自粛に追い込まれるなど、原発事故にも翻弄された。「思い切り漁をできないのは悔しい」。歯がゆさを感じるが、それでも海と共に生きると決めた。