岩手県大船渡市の大規模山林火災で市は10日、前日午後の鎮圧を受けて避難指示を全面解除した。避難していた住民らは帰還したが、焼損した自宅を前に落胆する姿も。市によると、住宅102棟が被害を受け、うち76棟が全壊だった。避難所を引き続き使えるようにし、仮設住宅の提供準備も進めるという。
山林火災は平成以降で最大規模となった。焼失面積は約2900ヘクタール。村上泰子さん(72)は、次男と共に焼け落ちた自宅を前に「一瞬でこんなことになるなんて言葉が出ない」とぼうぜんと立ち尽くした。「家族でまた一からつくっていくしかないですね」と振り絞るように話した。
現場では10日も消火活動が続いた。