岩手県大船渡市役所で山林火災の鎮圧を宣言をする渕上清市長=9日午後

 岩手県大船渡市は9日、大規模山林火災が同日午後5時に延焼の恐れがなくなり鎮圧したと発表した。2月26日の出火から12日目。建物被害はこれまでの78棟から210棟に増えた。同市の三陸町綾里や赤崎町にある一部地区の979世帯2424人に対する避難指示は継続。10日正午までに指示を全て解除する見込みという。

 渕上清市長は「上空からの偵察で延焼拡大の危険がないと判断した。今後は被災者の支援に注力し、鎮火に向け警戒を強化していく」と話した。

 市面積の9%に当たる約2900ヘクタールが焼失した。9日正午時点の建物被害の内訳は、住宅が全壊の76を含む102棟で、作業場などの住宅以外が108棟。今後の調査で増加する可能性がある。

 避難指示の対象は最大で1896世帯4596人だった。消火作業や降雨で新たな延焼の恐れがなくなったことから、再燃の可能性やライフラインを使用できるかどうかで市が解除を検討。7日に一部地区で初めて解除し、その後も段階的に解除していた。