シンポジウムに参加した金沢大の青木賢人准教授=8日午後、仙台市

 東日本大震災と能登半島地震の災害対応を比較しながら、防災に生かす方策を話し合うシンポジウムが8日、仙台市で開かれた。参加した金沢大の青木賢人准教授は、2011年以降、住民の津波や避難行動への理解が進み能登半島地震での避難行動につながった可能性があると指摘。災害リスクの周知や防災教育の重要性を訴えた。

 青木准教授は、07年に能登半島で震度6強を観測した地震で「津波回避行動を取ったと答えた一般市民が約20%だった」とする奥能登地方の住民アンケート結果を紹介。その後、津波への危機意識が高まった背景として「東日本大震災を受け、石川県が避難訓練や防災士育成を進めた成果だ」と話した。