-今、医療に求められるものは。
団塊の世代が75歳以上になり、認知症高齢者も増えている今、医療と介護の連携が重要になっています。介護施設から医療機関へ、かかり付け医から中核病院へという連携は、当然行なわれていますが、もっと一人一人のニーズに合った対応を強化する必要があると考えます。「とにかく高度医療を」と中核病院に患者さんが集中し、高齢者にも一様にハードな検査や治療をすることが最善なのかは悩ましいところです。患者さんの年齢や状況によっては、ある程度症状が落ち着いたら寄り添って、最期まで安心して過ごせるようにする医療や介護が重要だと感じます。
当院は地域の方々に気軽に来院していただける総合(ジェネラル)のクリニックであると同時に、全国でも希少な有床の救急指定診療所として24時間365日体制で一次救急患者を受け入れています。また、提携施設の特別養護老人ホーム「サンライズ長良」に隣接しており、医療と介護のシームレスな連携を可能にする理想的な環境が整っています。何でも相談できる安心の拠り所として、いつも身近にいる医者(居者(いしゃ))として、これからも地域の方々の健やかな暮らしを支えていきます。
-「医者は居者」は印象的ですね。
医者に成り立ての頃、東京女子医科大学病院の救急医学講座に入局し、教授から真っ先に言われた言葉で、以来、私のモットーです。必要な時に居るのが医者で、そこに居て、患者さんの話に耳を傾け、寄り添うだけで、患者さんが安心し、明るい気持ちになってもらえるような存在というか人間でありたいと思い続けています。
-今年の展望は。
介護連携にも通じるのですが、リハビリテーション施設の拡充と訪問看護・訪問リハビリを実施予定です。内視鏡センターの開設も考えており、さらに窓口を広げて地域に役立つクリニックを目指します。
