総持寺祖院の復旧方法を検討する修理専門委員会の初会合=12日午後、石川県輪島市

 昨年の能登半島地震と記録的豪雨で被災した曹洞宗の総持寺祖院(石川県輪島市)は12日、2024年に指定された国の重要文化財をはじめとする建造物の復旧に約38億円の事業費がかかるとの見通しを示した。工事は今月から開始する予定で、期間は約9年2カ月を見込む。

 同日開いた修理専門委員会の初会合で明らかになった。専門委は、建築や歴史分野の大学教授らで構成。この日は、実際に境内を歩いて回り、沈下した地盤や、折れた柱の代わりに足場を組んでいる状態を確認した。出席者からは、災害発生時に建造物が折り重なって倒れないよう、空間に余裕を持たせて復旧する方法も検討すべきだとの指摘があったという。